上島珈琲店 「19の物語」

珈琲文化の足跡をたどり、
新しい味わいを創造する。

Glass Globe

NO.10

スパイシーな香りにドライオレンジの味わい、キャラメルの余韻。
サイフォンで淹れたようなコクとまろやかさ。

シン・サイフォン

UCCコーヒーアカデミー専任講師 村田果穂

サイフォンのフラスコ。
ガラス球体の底に少しだけ残るコーヒーは
オレンジ色に美しく光り輝く。
深くスパイシーな香りに
柑橘系の味わい、キャラメルのような甘さが続く。
「Glass Globe」

午後の光が照らす
サイフォンのフラスコ。
その中に輝くのは「Glass Globe」。
薄くもなく濃すぎもしない
ちょうどいいオレンジカラーが美しい。
ダークチョコ、シナモンのスパイシーな香りに
ドライオレンジのような凝縮感のある柑橘系の味わい。
後に続くキャラメルの甘さが
優しい余韻を残します。

サイフォンで淹れたような
香り高く新しい味。

UCCグループにはサイフォン抽出のお店があって、その魅力を伝えるということに尽力しています。サードウェーブのトレンドの味わいへの挑戦というところもあるのですが、やはりこの昔ながらの、喫茶店で飲むようなサイフォンの良さを生かしながら、現代版的なものをつくれないかと。
昔のサイフォンのコーヒーって、結構ドロッとしたようなコクと苦みの強いものが主流でしたが、サイフォンならではの良さと、サードウェーブのコーヒーのいいとこ取りをして、濃すぎないで香り高い、コクもある、というような一番よいバランスのところで飲んでもらいたいと考えたものです。
とはいえ、その絶妙なバランスのポジションに味を持っていくのってなかなか難しくて。でも苦労の甲斐あって、ちょっと新感覚のバランスの良いまろやかなコーヒーができました。

豊かな香り、
程よいコクとまろやかさ。

「Glass Globe」は、コロンビアをベースに、ケニアをブレンドしています。コロンビアは、比較的コクを感じやすいコーヒーなんです。酸味も乳酸系の丸い感じの酸で、味わいもまろやかなんですね。コロンビアでコクを程よく感じてもらえるような土台を作って、そこに優しく柑橘系フルーツの印象、ドライオレンジのような風味を加えるためにケニアを組み合わせているのですが、ケニアって明るい酸みが特徴なので、そこが立ちすぎないようにしないとバランスが崩れてしまいます。どちらかというとフレッシュオレンジというよりドライオレンジのイメージで、少し重さや凝縮感のある甘さを持った柑橘になるように、焙煎をして調整しました。ほどよい苦みもあり、やわらかな酸みやキャラメルのような甘さを感じるので、とてもバランスよく飲んでいただけると思います。

ペーパードリップでも
サイフォンの美味しさを

「Glass Globe」を一言で言うと、「サイフォンで入れたようなまろやかなコーヒー」。

ペーパードリップで淹れていただいても、その味わいを再現できる原料を選んで、焙煎し、ブレンドしているので、香り高くまろやかなコーヒーを楽しんでいただけます。サイフォンコーヒーがお好きな方にはぜひ飲んでいただきたいですし、バランスがとてもいいので、どのコーヒーを選んでいいか分からないっていう方にもおすすめできるんじゃないかなと。サイフォン好きの方からコーヒー選びに迷っている方まで、迷ったらこれ!でいいと思います。私の私見ですが(笑)。上島珈琲店のコーヒーを楽しむ第1歩として、ここから入ってくださいと言いきっちゃってもいいぐらいだと思っています。

バランスがいいので
フードペアリングが楽しい

程よく苦み、コクもあるので、オレンジが入ったチョコレートケーキなどは相性がいいんじゃないでしょうか?
他にはそうですね・・・食中コーヒーとして、例えばビーフシチューとか、と欧風カレーとかもいいかもしれません。欧風カレーとのセットのようにアイスコーヒーを楽しむことが多いと思いますが、カレーの種類によってコーヒーの種類を変えるだけでも、随分味わいの広がり方が変わってきますよね。他にも、デミグラスソースのハンバーグや、マヨネーズたっぷりの卵サンドともとても良いペアリングになると思いますので、ぜひお試しください。
また、ブラックで飲んでも十分美味しいですが、コロンビアのコーヒーと乳製品ってすごく相性がいいです。やっぱりミルクを入れたい!という時は、ちょっと濃いめに淹れて、ミルクを入れていただくと、すごく美味しいと思います。ちょっと重めのベイクドチーズケーキもぴったりですね。

Glass Globe

  • LIGHT
  • MEDIUM
  • DARK

ダークチョコやシナモンの香りに
ドライオレンジのような味わい。後に続くキャラメルの甘さ。

酸味
3
苦味
3
コク
3