珈琲文化の足跡をたどり、
新しい味わいを創造する。

上島珈琲店 「19の物語」

NO.16

Kurakuen The Uphill

酸みと甘みの絶妙なバランス。
進化を続ける軽やかで華やかな味わい

進化への決意

UCC 取締役 営業統括本部 特定営業部 部長 長瀬智子

阪神間モダニズムの地「苦楽園」。
気分も高揚するような上り坂の楽園は、
上島珈琲店発祥の地。
この地の名前を冠するコーヒーは、
進化を続ける軽やかで華やかな味わい。
Kurakuen The Uphill

上島珈琲店発祥の地、苦楽園。
芦屋もすぐ近く山手に位置し、
お洒落で気分が上がるところ。
当時、高級な博来品だったコーヒーの味に感動し、
情熱的な思いで事業をスタートさせた一人の若者は、
ブレンドの妙、丁寧な焙煎によって
様々な味わいが作れる面白さなどもきっと発見して、
「コーヒーの美味しさと文化を、ここから日本中へ発信し、
進化させていきたい」と、決意したことでしょう。
顔を上げて前を向くコーヒー「Kurakuen The Uphill」。

一味違う「楽園感」
新しい上質感を求めて

「Kurakuen苦楽園」という本店の名を冠したブレンドなので、一般的な味や香りでは許されないかな、というところがありまして(笑)。
「Uphill」というワードには、「坂道の先にある楽園感」を出したかったのですが、上島珈琲店のシリーズの中でも、ユニークさや、通常店で出しているものとは一味違う印象を与えたいなと。例えば、現在上島珈琲店のお店で飲める一般的なブレンドはボディー感がとても強くて、焙煎度が深くしっかりとしたコクがあり、これこそが上島珈琲店らしいところなのですが、それとは違う味わいの複雑さであるとか、洗練感を表現したいと考えたのです。
そのため「Kurakuen The Uphill」はちょっとこだわった豆を使っていて、ブレンドはエチオピア、ザンビアを主体に、独特のユニークなフレーバーをUphillという情景イメージと重ねながら、ややスペシャルティー寄りの味わいに設計しています。オーセンティック、クラシックとは異なる上質感を伝えたくて、焙煎度合いも変え、ストーンフルーツを思わせる酸みと甘みといった、原材料の持っている複雑さをそこなわないように意識しました。

冷めても明るさが変わらない。
柔らかな酸みと甘み

エチオピアもザンビアもアフリカ由来の豆なので、系統としては似通っていますが、果肉がついたまま乾燥させるナチュラルプロセスなのか、果肉を除去し水に浸してから乾燥させるウォッシュドプロセスなのかによっても、凝縮した果実味とやわらかな酸みを持つか、すっきりとした酸みを持つかが違ってきます。
豆の持つ果実味も、レモン、グレープフルーツなどの柑橘系もあれば、チェリーやアプリコットなどのような甘みを帯びたもの、さらには桃や巨峰のようにしっかりとした甘みを感じられるものまであって、製法や産地によってかなりコントロールが可能です。今回の場合はしっかりと成熟して、チェリーのような甘みが感じられるエチオピアを使っています。ザンビアにも若干酸みがあるんですが、すごくすっぱいとか、尖っているというよりは、飲んだ後ほのかにオレンジのような印象が感じられる味わいになっています。しっかりと成熟したコーヒーはいろんな表情を持っているので、複雑性を探していただくのも楽しいかなと。 「Kurakuen The Uphill」の場合、温かい淹れたての時からカップの中で冷めるまで変わらない、香りの明るさや柔らかな酸み、甘い余韻をお楽しみいただけると思います。

全員で取り組んだ
新しい味わいへの挑戦

関わったメンバーは、延べ30人。ネーミングについては、満場一致で「やっぱりこれだよね。これこれ」みたいな感じですぐに決まりましたが、それから構成を決めていくのが大変でした。まずオリジンのカッピングから始めて、全員でテイスティングして。候補となるオリジン…ブラジル、コロンビア、ザンビアなどを、全て試すところから始まって、市場環境のカッピングも同時進行していたので、一体何回カッピングしたのかわからないくらいです。
この「Kurakuen The Uphill」は、「上島忠雄の企業家精神から発展して、これからもっと進化します」という決意表明的なポジションなので、オリジンの追求というよりは、上島珈琲店の新たな挑戦が見える味わいを目指しました。新しい味わいとして、重要視したのは酸みと甘みのバランス。フルーティーな酸みと、心地よい甘みの両方がバランス良く感じられるコーヒーに仕上がっているので、リフレッシュ感を求める方にも、「いつもの上島珈琲店ユーザーだから、そんなコーヒーは飲んだことないよ」という方にもお試しいただけたら嬉しいですね。

きれいな酸味と
フルーティーな甘みを楽しんで

ちょっとだけ冷ましたお湯で淹れていただくと酸みが出やすく、きれいな酸みをお楽しみいただけると思います。 ケトルでお湯を沸かし、ぐらぐらしたものを、濡れた布巾の上に1分ほどおくとちょうどいい92度ぐらいになるので、そのくらいがベスト。ペーパーフィルターで淹れていただければ良いと思います。酸みが特徴でフルーツの味わいが個性的なので、なんだかティーみたいって思われる方もいらっしゃるかもしれません。ブラックで飲んでいただくのがおすすめですが、ミルクを入れる場合は、さっぱりしたタイプが合うと思います。ペアリングは、同調させるとしたらショートケーキやシフォンケーキなど、あっさりした軽めの焼き菓子がおすすめ。また、明るい酸みを裏切るようなドシッとした味わいのもの、和菓子のあんこ系や、トロッとしたみたらし団子などを合わせてみるのも面白いかもしれませんね。

Kurakuen the Uphill

  • LIGHT
  • MEDIUM
  • DARK

ストーンフルーツを思わせる酸味と甘味。
チェリーのような甘酸っぱい後味。

酸味
5
苦味
2
コク
4

レギュラー
コーヒー豆
(200g)

¥2,280(税込)

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レギュラー
コーヒー粉
(1杯分/15g)

¥270(税込)

オンラインショップで購入