珈琲文化の足跡をたどり、
新しい味わいを創造する。

上島珈琲店 「19の物語」

NO.5

Foot Print of TADAO

スモーキーな香りとダークチョコの力強い味わい。
香ばしい余韻が誘う足跡を辿る旅。

珈琲黎明の足跡

UCC 農事調査室 室長 中平尚己

創業者「上島忠雄」が
自ら足を運んだ国々のオリジンをブレンド。
その当時よく飲まれていた
深炒りの味覚へオマージュしながら
それぞれの個性が見えるように
つくり上げた味わい「Foot Print of TADAO」

コロンビア、インドネシア、ブラジルのブレンドは、
当時の喫茶店で使われたハウスブレンドに紐づく組み合わせで、
上島忠雄の足跡としてベストなセレクト。
それぞれのコーヒー豆のキャラクターが、
ブレンドの中から垣間見えるような設計になっています。
パッケージのイラストは、
上島忠雄がそのコーヒーの産地を歩いているイメージ。
喫茶店のマスターがネルで落としてくれるような、
苦みだけでなく、複雑な奥行きを感じられるコーヒーを、
楽しんでいただきたいと思います。

日本の喫茶文化が開いた
ブレンドの可能性

アメリカでは、コーヒーのファーストウェーブという大量生産・大量消費、安かろう不味かろうといった時代の反省で、セカンドウェーブ、サードウェーブっていう流れが来ているのですが、日本にはそれがあまり当てはまらないんですよね。なぜかというと、日本には喫茶文化があったから。当時一般に出回っていたコーヒーをより美味しく飲むためにはどうしたらいいかと、喫茶店の店主が試行錯誤をくり返し、ハンドピックして豆を選別したり、焙煎にすごくこだわったり、さらにブレンドを工夫してきた結果、日本で飲むコーヒーに不味いコーヒーはなかったのです。その喫茶文化が日本人のコーヒー観をつくり上げてきました。

ワインの話になりますが、ボルドーとブルゴーニュは造り方の考え方が違っていて、ブルゴーニュは品種限定でテロワールを楽しむという造り方ですが、ボルドーはブレンドが基本です。それによってそれぞれのブドウの良さを引き出し、当たり年、外れ年の差をなくしていくような造り方をしている。より人の力、人のイマジネーションがうまく商品に転化されているボルドー的な考え方は、コーヒーのブレンドにも当てはまるんじゃないかなって思います。

スペシャルティーコーヒーのシングルオリジン重視の考え方はありだと思っていますが、ブレンドは、さらにオリジンの魅力を引き出すことができるんじゃないかと。焙煎の技術でもっと表現の幅を広げ、それぞれの良さをさらに持ち上げてあげるような配合率にしたりすることで、オリジンの欠点をなくすこともできる。ブレンドの可能性は無限大です。

足跡を辿るオリジン同士が
キャラクターを高め合う

コロンビア、インドネシア、ブラジルの3カ国は、上島忠雄の思い入れもある本当に古いコーヒー産地です。ブラジルは、世界最大のコーヒー生産国ですし、また戦後生豆の輸入が再開した時、最初に日本へ入ってきたのはコロンビアの豆だった。インドネシアは特に古い産地で、昔エチオピアのモカと同時期に流通し始めたといわれています。

「Foot Print of TADAO」を構成するそれぞれの豆には役割があって、このブレンドの顔となる部分はインドネシアマンデリンにしました。深く焼いても風味や個性が残るコーヒーの代表格であり、フルーティーかつ長期熟成されたワインの樽香…少しモルティーだったり、アーシーだったり、なめし皮みたいなスパイシー香も持っているコーヒーです。

コロンビアにはコク、ボディの部分を。コロンビアは標高2000mぐらいの高地が主産地なので、ピーチやアプリコットのようなフルーティーさを持ちながら、豆がすごく硬くて、焦げにくいという特徴を持っています。コロンビアは、かなり深く火入れしても芯の明るい酸みがしっかり残ってくれるので、濃厚感やコクを出してくれるんですよね。

チョコやローストナッツみたいな風味を持っているブラジルは、豆が柔らかくて、焙煎するとすぐ火が入ってしまいボディは出しにくい。その代わりアフターの甘みや苦みを表現してくれます。

狙った味わいを
引き出す焙煎の妙

まずどの豆を使うかを決めて、それぞれ単品焙煎といって、別々に焼いてからブレンドをしています。焼き目はダークローストっていうことで、全体的に深く焼いてありますが、それぞれ火入れの仕方や仕上げ方が微妙に違うんですね。

火入れに長い時間をかけた焼き方をしていたり、短時間の火入れで引き出される味わいを狙ったりということを、豆ごとに別々でやっています。長く焼くと角が取れて丸くなり、急激に焼くと苦みと酸みが際立ちます。

この「Foot Print of TADAO」は苦みと酸み、余韻の長い甘みが特徴ですが、苦みを表現しているブラジルを短時間で温度を高くして焙煎したということなんです。

日本で培われてきた焙煎技術ってすごいんですよ。

合わせるのは、コーヒーと同程度の
重たい風味を持つものと

こういう深炒りのコーヒーは、軽いものと合わせてしまうと食べ物の方が負けてしまってあまり引き立たないので、食後に楽しんだり、風味のしっかりしたスイーツなどに合わせてもらったりするのがいいですね。チョコレートや、重めのチョコレートケーキ、ガトーショコラみたいなものと合わせると、両方の質を上げてくれます。おそらくマンデリンのよさも、引き立ってくるでしょう。

このコーヒーは味のバランスが非常に取れているので、守備範囲は広いと思います。バランスでいうと、和菓子も合わなくはないと思いますが、和菓子だったら、両方同じぐらいに相乗で引き上げるというよりは食べ物がちょっと遅れる感じでしょうか。いずれにしてもちょっとしっかり目のものを合わせていただければと思います。

Foot Print of TADAO

  • LIGHT
  • MEDIUM
  • DARK

スモーキーな香りとダークチョコのような力強い味わい。
焦がしキャラメルのような余韻。

酸味
2
苦味
5
コク
4

レギュラー
コーヒー豆
(200g)

¥1,590(税込)

オンラインショップで購入

レギュラー
コーヒー粉
(220g)

¥1,750(税込)

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レギュラー
コーヒー粉
(1杯分/15g)

¥270(税込)

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